[DUNE/デューン 砂の惑星]”念願の映像化により子供の頃の夢が叶った”気分:映画のイラストと感想

自分が子供の頃から大好きなあの漫画やあの小説が、極上のクオリティで映像化されたらいいのに…

そんな妄想をした事があるでしょうか。もしあるなら、DUNE/デューン 砂の惑星は、例え原作小説を知らなくても観る必要があります。

行ったことのない砂の惑星、本当にありそうな壮大な景観、未知の惑星にありそうな城と設備。出会ったことのない不気味な敵見たこのとのない文化聞いたことのない音楽圧倒的に作り込まれた美しい映像異星に連れて行ってくれる没入感

❓原作を知らないけど観ても大丈夫なの?
👍問題なく楽しめました。

❓IMAX作品でしょ?今更小さい画面で観て意味あるの?
👍IMAXで観るのはベストかもしれないけど、かといってスルーする理由にはなりません!

私自身DUNEの原作は世代ではないですが、恐らく小説や漫画、様々な「原作」ファン達が羨望の眼差しを禁じ得ないでしょう。そうに違いありません…。

目次

作品情報

監督:Denis Villeneuve
出演:Timothée Chalamet(ポール) , Rebecca Ferguson(ジェシカ) , Zendaya(チャニ) , Oscar Isaac(レト・アトレイデス公爵), Jason Momoa(ダンカン・アイダホ)

参考

ワーナー・ブラザース映画
映画『デューン 砂の惑星PART2』公式サイト 映画『デューン 砂の惑星PART2』公式サイト。大ヒット上映中!

トレーラー

映画『DUNE/デューン 砂の惑星』US版本予告 2021年10月15日(金)全国公開 – YouTube 
映画『DUNE/デューン 砂の惑星』 – YouTube 

あらすじ

アトレイデス公爵レトの息子ポールには、未来が視えるちからがあった。 銀河を支配する宇宙帝国皇帝から、惑星アラキスの統治を任命されるアトレイデス家。アラキスの別名は砂の惑星デューン、非常に過酷な土地といわれる。しかし宇宙航行の資源”スパイス”が採れる唯一の惑星。
アラキスへ移住したポール達を待っていたのは、すべてを飲み込む巨大なサンドワームと、アラキス統治の任を解かれた宿敵ハルコンネン家の罠であった。

イラスト

感想(ネタバレ)

大好きな映画メッセージのドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品。

公開前から気になっていて、映画館に行ける予定は無かったため、歯がゆい思いをしながら配信をとても楽しみにしていた映画でした。 前知識なしで観ることを徹底し、情報を遮断して臨みました。 結果、すごく楽しかった!そして、ある意味難解な作品でもありました。

楽しかったというのは、この映画のすごく特徴的な点である「古典的な小説を原作としている」ことに付随します。原作小説は1960年代の作品です。多くの名作たちに影響を与えてきたという評判と、映像化にするのが難しいと言われる壮大さは最高に魅力的です。

一方で、根底にシンプルとも言える構成があるのが伺えます。近年の設定もりもりな映画やアニメと比べると、それらに慣れ親しんだ観客を驚かせらるだろうか?と感じるのを禁じ得ません。にも関わらず、その物語のシンプルさを補って余りある圧倒的な美術と音楽による演出。こんなに沢山の夢が詰まっている映像化はなかなかないのではと興奮しました。

ある意味難解だと感じたのは、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品の特徴のひとつでもある、過度にヒロイックに演出することなく、穏やかなトーンで淡々と描き続ける作風にありました。
あまり説明的なセリフで多くを語ることはしないため、じつは難解ではないにもかかわらず、気を抜いて観てしまったことで物語を見失ってしまい、すぐに冒頭から見返すことになりました。

無論、目と耳でしっかり追えば、そこにはわくわくする壮大なスケール観の宇宙帝国、惑星、青年の成長物語がありました。

旅の道連れはヒロインでは無く母親という特殊さ

母親と旅を続けるというのも珍しいですよね。ああそうなの、と聞き流せない展開に、入り込むのに少し時間がかかりました。青年の自立の物語において、母親が完璧な聖母的存在に描かれていないのです。

父親は超えるもの、母親は守るもの、という主人公はよく見かけます。しかしデューン 砂の惑星では、父親は尊敬の対象で、母親には愛情と少しの口うるささを感じながら自立していくという、至極育ちの良い主人公。

そして母親もまた、特殊な声色で他者を操る能力を使い強さを見せます。教母が率い、政治的にも重要かつ世界を裏で支配してきた組織「ベネ・ゲセリット」出身の母。決して貴族のか弱い姫などでは無く、訓練された能力者として、公爵婦人を務めるべく送り込まれたのであり、それを知る夫レト・アトレイデス公爵との絆も独特です。

そんな母親が青年の旅の共なわけなので、難解とまで行かずとも物語に複雑さを感じます

上質なアートワーク

「DUNE/デューン 砂の惑星」はとにかく、ビジュアルによって圧倒させられるパワーと独特さと説得力が凄いわけですが、アートブックであるドゥニ・ヴィルヌーヴの世界 アート・アンド・ソウル・オブ・DUNE/デューン 砂の惑星を見れば、素晴らしいアートがあるからこそだなのと伺い知ることができます。

見たことのない乗り物 
トンボのように羽を羽ばたかせるヘリとプロペラ機の中間のようなオーニソプターと呼ばれる乗り物や、敵国であるハルコンネン家の虫のような醜悪な戦艦もかっこよかったです。

衣装 
ベネ・ゲセリットの喪服のような黒いドレス、砂漠の民の保水スーツ、ハルコンネン男爵を始めとするまるで異形の人々の造形と衣装。どれもが新しくて地球とも全く異なる世界を構築してます。すてき。

構図 
城や施設などの巨大建造物や、サンドワームや砂漠の雄大な自然の多い本作。壮大なスケール感を感じさせる構図のコンセプトアートが多数収録されています。こうやって絵を書き起こしながら、あの映像美が作られていったのかと思うと感動します。

アートブックで深まる理解 
240ページに及ぶコンセプトアートや撮影風景の写真のようなビジュアルが満載。かつ、文字による文化の説明やインタビューもあって、見応え・読み応え充分のアートブックでした。 砂丘に残った大勢のスタッフの足跡を消す作業に、視覚効果の多くの時間を費やされた…なんて裏話もあったりしてとても楽しいです。

プロダクション・デザイナーって? 
アートブックの序文で、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が名前をあげ、”かなり早い時期にこの映画製作に必要なアーティストだとわかった”とする、パトリス・ヴァーメット氏。

IMDb
Patrice Vermette | Production Designer, Art Director, Art Department Known for: DUNE/デューン 砂の惑星, Message, Borderline

wikipediaによれば、監督に継ぐ重要ポジションで、世界観をデザインし構築する仕事であり、アートディレクター、コンセプトデザイナーを統括する、とあります。 imdbのCast&Crewのページでは、監督から始まりキャストやプロデューサーや音楽に次いで9番目の肩書としてクレジットされています。

ArtBook

映画に合わせてジャンルごと音楽を作ったハンス・ジマー

音楽はかなり特異だったと感じました。ハンス・ジマーは映画に合わせてジャンルごと作ってしまったようです。

How ‘Dune’ Composer Hans Zimmer Created the Oscar-Winning Score | Vanity Fair

メイキング内のジマー氏による「13歳の頃に戻って制作した」発言に納得。まず異世界の惑星の映画で、ヨーロッパのオーケストラが流れるのはおかしいという根本的な疑問に目をつけたそうです。映画らしい既存の音楽と似たものでは無く、「ぼくのかんがえたほんとうにすごいえいがおんがく」とでもタイトルがつきそうな飛躍した発想で、見るものを完全に異文化へと放り込む驚きの体験を与えてくれました。

サントラはCDやデジタルで買うも良し、私の場合はYouTube premiumに加入しているため、広告なしで気軽にストリーミング再生して聴いています。

サウンドトラック

Dune: Official Soundtrack  -LinkFire
https://lnk.to/duneID

Youtubeプレイリスト
DUNE Official Soundtrack Playlist | Hans Zimmer | WaterTower Music

原作ファンが羨ましい…デューン 砂の惑星」はまさに夢の映画化

原作世代ではない私が言うのも変ですが、過度に盛らない憧れの映像化だと感じる作品でした。

私が子供の頃である1980〜90年代の夢中になった大ヒット小説が映像化されたら、原作ファンとして満足するでしょうか? しない予感がします。
たとえ数十年前当時に革新的な物語だったとしても、時を経た今となっては王道となり、汎用的にすらなってしまうのが世の常。 意外性のあるキャラクター造形や世界設定の装飾性にあふれた現代の映画と比較して遜色ない仕上がりにすることはとても難しいでしょう。
アニメ化したことがあったとしても、マスの需要に合わせたのか、キャラクターの魅力に特化した作りになる事が殆どでした。

この「DUNE」のように、卓越した表現力でねじ伏せるような作品になることを、どれだけ夢見たことでしょう?
”夢の映画化気分”を味わえる作品として今は触れましたが、これから原作を読んで”本当の夢の映画化”にしたいと思いました。

原作小説

主演のティモシー・シャラメ 
映画インターステラーで、主人公の息子の少年時代役として出ていました。 繊細かつ端麗な容姿であり、目に力がある俳優さんです。美麗でありながら力強い雰囲気の主人公というのは、私自身が子供の頃に触れてきた80年代のヤング向けの小説を彷彿とさせます。つまり美しい顔立ちであるという描写がインパクトを与えたりワクワクさせたり、ときに威厳をもたらす文化です。原作に直接「美しい」といった描写があるかは未確認ですが、読者が想像しうる最高のビジュアルであり、カリスマ性を感じさせるのは間違いありません

[DUNE/デューン 砂の惑星]イラストと感想まとめ

映画館に観に行けなかったため配信での視聴となりました。初めはレンタルでしたが、すぐに「これはじっくり観なければ!」と購入して、何度もリピートしています。

配信で大満足したとはいえ、IMAXの没入感は凄まじいものがありますから、映画Avaterのように再演してくれたらなーと淡い期待をしたいと思います。

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