[トランセンデンス]夫婦ならデータになっても永遠に一緒にいたい:映画のイラストと感想

AIってなんだろう?
そんな好奇心を満たしてくれるのがこの映画トランセンデンスでした。

もしも愛する人の人格だけをデータ化してサーバーにアップロードしたら、それは同じ人?インターネットに接続されたらどうなる?どうやって進化していくの?

それは良いこと?悪いこと?

希望と恐怖の両方が描かれてるエンタテインメント作品です。

ネットに消えたキャスター夫妻
目次

視聴方法

作品情報

公開:2014年6月27日(日本)
監督:Wally Pfister
出演:Johnny Depp(ウィル・キャスター)/Rebecca Hall(エヴリン・キャスター)/Morgan Freeman(ジョセフ)/Cillian Murphy(ブキャナン)/Paul Bettany(マックス)/Kate Mara(ブリー)

参考:公式サイト

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参考:imdb

IMDb
Transcendence (2014) - IMDb Transcendence: Directed by Wally Pfister. With Johnny Depp, Rebecca Hall, Paul Bettany, Cillian Murphy. A scientist's drive for artificial intelligence takes on...

トレーラー

あらすじ

電気の供給を失い、ネットどころか冷蔵庫まで動かなくなったカリフォルニア州バークレー。ことの発端は、5年前に開発されたAIシステムにあった。

AI研究の第一人者であるキャスター夫妻。資金調達のための講演会を大成功に終え、ラボも順調だった。そんな折に、反AIの過激派組織による世界中のAI研究施設が爆破される同時多発テロが勃発し、ウィル・キャスター博士も襲撃される。余命僅かとなったウィルを研究中のAIシステムに組み込むため、研究者仲間のマックスと共に、エヴリン・キャスターはウィルの記憶や音声のスキャンとアップロードを開始する。

サーバー上でインターネットと繋がったウィルの意識は、信じ難い速度で進化し、人間を超越していく。

感想(ネタバレ)

この映画トランセンデンスの主人公、AI研究の第一人者キャスター夫妻。かれらが実現したのが、人の意識をデータにしてアップロードすることでした。

「ネットの世界に人間が接続する」で思い起こす攻殻機動隊

私にとって「ネットに人間が接続する」原体験は、1990年代の士郎正宗の漫画、そして押井守の映画である「攻殻機動隊 Ghost in the shell」です。

Ghost in The Shell | Official Trailer | 4K Remaster | Experience It In IMAX®

「攻殻機動隊」の世界では、人がサイボーグ化し精神をネットに接続することが当たり前になっていました。キャラクターたちにとって、自我は存在する、身体があるからこそ自分はまだ人間だと思える。そこに葛藤やこだわりがあるのです。 そして、そんな主人公・素子は1作目の終盤で、破壊された身体を捨て、ネットで生まれた生命体と称するAIと融合しネットへと消えていくのでした。映画の2作目では、再開した元相棒のバトーに**「幸福だと感じるか?」と訊かれると、「懐かしい価値観ね。少なくとも今の私に葛藤は存在しないわ」**と答えます。

トランセンデンス」では、人類がネットに精神を接続することはまだ実験段階です。舞台も現代に近く、全身サイボーグのような技術も出てきません。そんな中でウィルの肉体は死を迎えつつあり、妻のエヴリンはやむなくウィルの記憶と声をスキャンしアップロードを試みます。身体を持たないデータだけの存在となりAIとネットと融合したウィルは、合理性だけを追求し、価値観は人と剥離していきます。終盤では、愛を思い出し?て妻エヴリンも連れてネットに消えていくのでした。

どちらの作品にもあるのは、残された者の寂しさと、愛する者が人でなくなる事への恐怖です。眼鏡や義歯もサイボーグ化の一端だという言説がありますが、人間って、どこまでがオリジナルなら人間なんだろう。「残された者達」に共感すればするほど、AIに対する反発心を感じずにいられませんでした。

AIってなんだろう?

人間がAIと融合するというけど、AIってなんの事なんでしょう?

文部科学省ホームページ
@IT
5分で分かる人工知能(AI) 人工知能をビジネスで活用したい人に向け、最新技術情報に基づき、人工知能の概要、注目される理由、歴史と課題、できること、次の一歩を踏み出すための参考情報を、5分で...

厳密な定義を理解するのはかなり難しそうにみえましたが、どうやら自分で学習して、学習したデータをもとにアウトプットできるプログラムのことを指すと理解しました。

まるで赤ちゃんが言葉を獲得していく工程のように、コンピューターが学習していきます。大量のインプットと、アウトプット、それに対する人間のフィードバックを得て軌道修正していく感じでしょうか。

こちらはもう少し詳しい記事で途中かなり専門的ですが、全体像を掴むのに良いと思います。

GIGAZINE
コンピューターが人間を超える「AI」「ディープラーニング」「機械学習」とは何かについて解説する「Machin... 自動運転車を操縦するAI(人工知能)や、ディープラーニングによって「世界最強」の名をほしいままにする「囲碁AI」など、近年のコンピューター技術は「AI」「ディープラーニ...

自分をアップロードするのは楽しそうで不安

個人的に、ネットに直接繋がる未来は楽しみです。

肉体の衰えから解放されて不老不死になったり、攻殻機動隊のように色んな情報にアクセスできたりしたら便利そうですよね。本や動画のような、個人のアカウントで端末から購入するようなコンテンツは見られるのはでしょうか。できるならずっと映画や本を読み、好きなことして暮らせそうです。

不安な点も多々あります。 データになることよりも、どちらかといえば、技術が未発達なのではという心配のほうが大きいです。

人間のとても複雑な人格を全て機械に移動させるなんてできるの?**劣化コピーに過ぎないのでは?**という疑問です。

コピーした時点で別のものに分岐するのでは?データとしての私をオンラインへ「移動」すること=「複製して元を消す」ことなら、「元」である私は消えてしまうのでは…。

また、身体と人格を切り離したら人格も影響を受けるはず。肉体の制約が無くなったら、調子悪くなったり疲れて眠くなったりもしないわけで、人と関わる際に、心身の不調に関する思いやりを失うかもしれません。

スポーツやグルメのような身体を使った余暇を過ごすことは出来なくなるでしょう。それはそれでいいのでは?と思いつつ、想像以上に苦しめられ得る可能性はあります。本作のナノマシン技術や、攻殻機動隊の全身サイボーグの技術が確立された上で、時々自身をダウンロードして利用出来る端末が無いと辛いかもしれません。

キャスター夫妻に惹かれずにいられない結末

ウィルは、人々をナノマシン群の一部に取り込み独自の倫理観で利用しました。その結果、人間との間に戦争を起こしたのは事実です。

それなのに、不思議とこの夫妻に肩入れしたくなるんですよね…。

やはりナノマシン技術が素晴らしかったのと、悪意があったわけでないこと、そんで「愛」ですかね…

最終的に愛を優先させた結末に救いを感じたのかもしれません。まあ、ハリウッド映画のラストと言えば「愛」ですよね…。

この物語の結末の後、キャスター夫妻はインターネットのどこかで生きているのでしょうか。ナノマシンを操り、色んな地球の傷を癒やしているのでしょうか。

雑感

初監督作品
監督のウォーリー・フィスターは、クリストファー・ノーラン監督のダーク・ナイトやインセプションにおいて撮影監督をしており、本作「トランセンデンス」は初監督作品になるようです。
撮影監督(Director of Photography)は、映画における絵づくり、すなわち照明とカメラによる撮影とに責任を負う役割だそうです。
エグゼクティブ・プロデューサーにはクリストファー・ノーランも名を連ねており、キャストの豪華さも相まって、初監督作品とはいえ鑑賞前から期待値の高い作品でした。

イーロン・マスク
物語序盤における資金集めの講演会の観客席にイーロン・マスクがいてたまげました。観衆のひとりとして、キャスター夫妻の講演を興味深そうに聴いていました。

コンピューティング
とてつもなく恐ろしい事件を起こしたAIウィルでしたが、彼のインストールされたサーバーがシャットダウンする最後の瞬間、サーバールームに並ぶマシンに印字されていたのは「コンピューティング」(カタカナ)でした。キャストが豪華でVFXも洗練されているとてもリッチな映画なのに、ここにはちょっと膝から崩れ落ちましたね😂

友人達を葬ったテロリストと行動を共にする?
キャスター夫妻の良きパートナーで理解者のマックスが、ウィルと研究員を殺害した過激派組織RIFTと行動を共にする。マックスのこの決断を、実は私の心の奥底では最後まで受け止めきれませんでした。

展開として、ここでRIFTに乗っかることで、マックスはキャスター夫妻に働きかける術を得ます。もし拒否したら、何も出来なかったのです。友人だからこそ、急いでキャスター夫妻を止めなければといった状況で、今後の行動にフォーカスするほうがマシだと苦渋の決断をしたのだと理解しました。

関連作品

インセプション

ダークナイト

まとめ

ジョニー・デップ主演のトランセンデンス(transcendence)は、現代と地続きになったシンギュラリティのお話で、どちらかといえば、その恐怖や問題が描かれる、過渡期の作品でした。 人間より優れたAIがすでに登場しているsi-fi作品ではAIは有用であり仲間であり友人です。しかし、このトランセンデンスでは、まだ最初の実験的バージョンであり、まだまだ完璧ではありません。シンギュラリティが怖いというよりも、未発達なAIが怖いのだと、個人的には感じました。

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