[ミッドサマー]不快感MAXの白夜の祝祭:映画のイラストと感想

怖そう過ぎて見るのを避けていました。きっと絶対にMUNAKUSO-WARUI映画なんじゃないか…。
確かにそのとおりでした。怖いことが起こるので怖い。人の心理が怖い。そしてすごく嫌な気分になれるうけあいです。
でも、怖さは思いのほかマイルドかもしれません。暗闇とクリーチャーが出てこないので、ホラー苦手でも楽しめる作品でした!

村人みんながダニーを気にかけてくれる
目次

視聴方法

作品情報

原題:Midsommer(2019)
公開:2029年2月(日本)/ 2h28m
監督:Ari Aster 脚本:Ari Aster

参考

公式サイト

http://www.phantom-film.com/midsommar/

Midsommar 🌻 (@MidsommarMovie) / Twitter
Midsommar (2019) – IMDb

トレーラー

不気味な祝祭…アリ・アスター最新作『ミッドサマー』本編映像 – YouTube

登場人物

ダニー(Florence Pugh): 主人公 。大学で心理学を専攻。恋人のクリスチャンと少しうまくいってない。
クリスチャン(Jack Reynor): 大学で人類学を専攻。ダニーの恋人。別れたいけど踏み切れない。
ペレ(Vilhelm Blomgren): クリスチャンの同級生。スウェーデンのホルガ村出身。
ジョシュ(William Jackson Harper): クリスチャンの同級生。人類学に情熱を捧げている。
マーク(Will Poulter):クリスチャンの同級生。クリスチャンに別れを勧めたり羽目をはずそうと誘う。

あらすじ

主人公・ダニーは心理学を学ぶ大学生。実家は複雑な家庭環境で、病気の妹と同居の両親が疲れ果てているのを宥めている。恋人のクリスチャンは重いダニーとの関係に不満があり、大学のサークル仲間内でネタにしているような状況だった。
そんな折に、ダニーの病気の妹と両親が自らこの世を去ってしまう
より不安定になるダニーと「別れにくく」なってしまったクリスチャン。同級生のペレの故郷で行われる90年に一度の夏至祭の見学に、男数人で研究のためとハメを外すためにこっそり行く予定だったが、傷心のダニーも急遽誘う事に。
5人が向かうスウェーデンの山の奥地で白夜に行われる祝祭。それは一見華やかに見えて、とてつもない不気味さを放ちながら、生贄を必要としていた。

感想(ネタバレあり)

いや〜面白かった!なんて綺麗なのかしら。

ポスターやトレーラーでよく出てくる、あの真っ昼間での白いドレスとお花と緑の草原のビジュアルですが、舞台が白夜なので終始その風景。ずっと画面は綺麗でした。

そのお陰か、通常のホラーは好きだけど怖くて見られないのですが、ミッドサマーは深夜に鑑賞したにもか変わらず最後まで観る事が出来ました。美しい北欧の風景と人々のビジュアルが、ホラー的不快な展開を中和してくれています。暗闇が出てこないとこんなにも違うのかと思いました。

問題を抱えた主人公たち

主人公たちはまだ若い大学生。悩み、問題点があり、当然未熟とも言える失敗もあります。そんな若者のもつ何気ない背景が、まさかの悲劇に向かわせる推進剤になっているのですから、本当に恐ろしい映画です。

ダニーは大学で心理学を専攻してして、真面目で、不安が強い状況です。精神疾患を患う妹が両親を道連れにこの世を去る選択をしてしまいます。20歳そこそこの若者からしたら「面倒くさい女」として陰で彼氏とその友達に揶揄されています。

クリスチャンはそんなダニーの彼氏。優しくて彼女を気遣っています。しかしダニーの良き理解者とは言えません。ダニーの妹の病気も「甘やかしてるからよくないんだ」などと見当違いのアドバイス。男友達を優先男友達のジョシュ、マークには「重い」彼女と別れた方がいいと言われても、後悔したくないが故に踏み切れまず、男同士羽目を外す旅行に内緒で行こうとします。

ペレは今回皆が向かう祝祭を行うホルガ村の出身で、クリスチャンと同じ人類学専攻です。クリスチャン抜きでダニーの理解者になろうとし、家族の不幸の話を持ち出して、不快なほど距離を縮めようとします。

ジョシュは人類学にのめり込んでいます。ホルガ村の祝祭の研究論文を発表したいがために、村のルールにすら踏み込もうとします。

マークは面倒くさい事やルールは嫌い。クリスチャンに別れを勧めるのも彼です。

不気味な村人たち

村人たちは皆が家族で、何でも一緒にやる。ホルガ出身のペレはそう話します。
実際に行ってみると、誰もが朗らかで親切。祝祭を一緒に楽しみましょう!とばかりに迎え入れてくれるのです。

ですが、異常さは違和感という形で少しずつ見えてきます。みんなでやってると言いながら、のっけから妙な薬を勧めてトリップするよう仕向けてきます。

そしてさらなる不気味さは、ホルガ村の村人たちの価値観が同じということです。徹底的に「個」よりも「村」を尊重される社会そこに疑問を抱かない村人たち。「個人の幸せ」どころか、「個人の生命」すらも全体の前には優先されません。当然部外者であるダニーらは反発心を持つものの、隔絶された空間で脱出出来ない。

そのうち、ダニーは過酷な儀式の中で思考力を失い、メイクイーンになり、皆に祝福され、ある種の居心地の良さを感じてしまいました。

ただそれも、村の巧妙な手法です。恋人の浮気現場を覗かせるという凄い苦しい思いを敢えてさせる。そのうえで、私たちは味方ですよ、一緒に苦しんでいますよ、とダニーを皆で抱き締める。コミュニティがみんなでダニーを大切にしてくれる。そこに心地よさを感じたダニーは、恋人のクリスチャンを生贄に捧げる事に同意してしまいました。

ひどい事をするのも村人、それを慰めるのも村人という非道っぷりなのに、村人たちに悪意を感じないのが恐ろしいです。

結局生きて帰れなかった…

物語のラストでは、なんとダニーを除き、旅の仲間が皆恐ろしい結末を迎えることとなりました。ラストのダニーの表情は、まるで「やってやったぞ!」と言わんばかり。彼女はこの村に居場所を見出したのでしょうか。今度は、村に迎え入れる招待客を探す側にまわるのでしょうか。

同じアリ・アスター監督の「ヘレディタリー 継承」という映画がよく比較されているのを見かけるので観てみたくなりました。と言っても、ホラーだとしたら白夜じゃないと無理かもしれない…

[ミッドサマー]イラストと感想|まとめ

ホラーという、子供の頃は見ていたけど大人になったら全く観ていなかったタイプの映画でした。怖そうで不安があったものの、かなり引き込まれました
primeにあるうちに、もう一度観たいと思います。
ディレクターズカットもあるようなので、次はこっちですかねぇ。147分→170分に映像が追加され、修正(ぼかし)がなくなって、R-18になっているようです。ディスクのほうには特典映像があるみたいです。パッケージ等のアートワークも秀逸。みてみたい…

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